如来・菩薩・明王・天・魔神・弟子たち






●如来

●菩薩(ぼさつ)(梵bodhisattva)
 ぼだいさったの略。
 もと、釈尊の前生における呼称でしたが、大乗仏教が興って、修行を経た未来に仏になる者の意で用いる様になりました。悟りを求め修行するとともに、他の者も悟りに到達させようと努める者のことをいいます。また、すでに悟りの境地にいるのに、衆生を救うために仮にその姿になる者もいます。

おっさんがい・ぼさつ 越三界菩薩
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

○かんぜおん・ぼさつ 観世音菩薩 (梵:アヴァローキテーシュヴァラ Avalokitosvara)
 遍く観る自在者の意味で、観自在菩薩とも訳されます。観世音菩薩が衆生を救う手段を、普門示現といい、それは、観世音菩薩は一切衆生を救うために相手に応じて姿を変えて現れ教化するというものです。
 妙法蓮華経の序品第一、観世音菩薩普門品第二十五に登場します。

○がっこう・ぼさつ 月光菩薩 (梵:チャンドラ‐プラバ Candra-prabha)
 月光菩薩は、月の光を象徴する菩薩であり、日光菩薩と一緒に、薬師如来の教説を守る役割を果たしているとされます。
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

○じょうしょうじん・ぼさつ 常精進菩薩
 常に精進を怠らない菩薩のことです。
 妙法蓮華経の序品第一、法師功徳品第十九に登場します。法師功徳品第十九では、聞き手代表となっています。

だいりき・ぼさつ 大力菩薩
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

○どうし・ぼさつ 導師菩薩
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

○とくだいせい・ぼさつ 得大勢菩薩
   =勢至菩薩(せいしぼさつ)(梵:マハースターマプラープタ mahaasthaamapraapta)
 仏の智門を司り、衆生の菩提心を起こさせる菩薩で、智慧の光を持って一切を照らし、衆生が地獄・餓鬼界へ落ちないように救う菩薩です。
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

○ばつだばら・ぼさつ 跋陀婆羅菩薩
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

○ふくそくぼさつ 不休息菩薩
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

ほうしゃく・ぼさつ 宝積菩薩
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

ほうしょう・ぼさつ 宝掌菩薩
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

ほうがつ・ぼさつ 宝月菩薩
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

まんがつ・ぼさつ 満月菩薩
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

○みろく・ぼさつ 弥勒菩薩 (梵:マイトレーヤ maitreya)
 阿逸多(あいった)とも。インドの波羅奈(パラナシー)国に生まれ、釈迦仏の化導を受け、未来において成道し、その時代の仏陀となるという記を与えられた菩薩です。
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

むりょうりき・ぼさつ 無量力菩薩
 妙法蓮華経の序品第一に登場します。

○もんじゅしり・ぼさつ 文殊師利菩薩 (梵:マンジュシュリー maJjuzrii)
 智慧の菩薩。
 舎衛国のバラモンの家に生まれたとされる実存の菩薩です。また一説に釈尊十大弟子とも親しく仏典結集にも関わったとされます。
 法華経では、弥勒菩薩と共に重要な聞き手として、妙法蓮華経の序品第一に登場します。

○やくおうぼさつ 薬王菩薩
 薬上菩薩とは兄弟であったとされ、人々に薬を与えた功徳により、双方が菩薩になる事が出来たといいます。
 妙法蓮華経の序品第一、薬王菩薩本事品第二十三、陀羅尼品第二十六、妙荘厳王本事品第二十七に登場します。薬王菩薩本事品第二十三では、薬王菩薩の献身を紹介しています。

○ゆうぜ・ぼさつ 勇施菩薩
 衆生に対してよく法の施しをする菩薩です。
  妙法蓮華経の序品第一、陀羅尼品第二十六に登場します。

●明王

●八部衆
 仏法を守護する八神のことで、仏教が流布する以前の古代インドの鬼神、戦闘神、音楽神、動物神などが仏教に帰依し、護法善神となったものです。それぞれに大勢の部衆がおり、法華経を聞きに八部衆が大勢参加しました。

@天(てん)(デーヴァ)
 元々は、バラモン教での神々が仏教に取り入れられ、護法善神となった者たちです。代表として、梵天、帝釈天、大黒天、持国天、増長天、広目天、多聞天、歓喜天などがいます。
 梵天はブラフマン、帝釈天はインドラ、大黒天はシヴァ、歓喜天はガネーシャとインドでは呼ばれています。

A龍(りゅう)(ナーガ)
 蛇神、水神。上半身は人間で、下半身は蛇(インドコブラ)という姿をしています。釈尊が悟りを開く際に守護したとされ、仏教に竜王として取り入れられ守護神とされています。妙法蓮華経の会座には、八大竜王がおり、その多くがインドの古い神話に登場する大竜王(ナーガラージャ)だということです。

B夜叉(やしゃ)(梵:ヤクシャ、ヤクシー Yaksa)
 古代インド神話に登場する鬼神で、のちに仏教に取り入れられ護法善神の一尊となりました。容貌・姿が醜怪で猛悪な鬼神です。

C乾闥婆(けんだつば)(ガンダルヴァ)
 帝釈天に仕える半神半獣の奏楽神団で、大勢の神の居る宮殿の中で、美しい音楽を奏でる事に責任を負っています。水の精のアプサラスの夫です。

D阿修羅(あしゅら)(アスラ)
 戦いの神であり、古くは帝釈天と争う存在でした。

E迦楼羅(かるら)(ガルーダ)
 インド神話に登場する炎の様に光り輝き熱を発する神鳥です。竜や蛇を食べる聖鳥とされました。日本では、カラス天狗のモデルとなっています。

F緊那羅(きんなら)
 インド神話に登場する音楽の神々(または精霊)です。男のキンナラは半人半馬であり、馬頭人身とも、人頭馬身ともいわれます。女のキンナリーは天女です。

G摩ゴ羅伽(まごらが)
 キンナラと同じく音楽の神です。身体は人間ですが、首は大蛇であり、龍種の一つとされます。ナーガはコブラの神格であり、マゴラガはニシキヘビの様な蛇の神格であるとされています。

●十大弟子
 大比丘衆の中でも、特に高い弟子たちです。

@舎利弗(しゃりほつ)(梵:シャーリプトラ Sariputra)
 知恵第一。
 王舎城外のバラモンの子に生れ、六師外道の刪闍耶毘羅胝子(さんじゃやびらていし)(懐疑論者)の弟子となりましたが、釈尊成道後まもなく摩訶目ケン連(まかもくけんれん)と共に釈尊に帰依しました。舎利弗と摩訶目ケン連は二大弟子ともいわれ、教団のリーダーとして活躍しました。釈尊の入滅が近い事を知って、先だって自殺したといわれます。

A摩訶目ケン連(まかもっけんれん)(梵:マハーモッガラーナ Maudgalyayana)
 神通第一。
 中インドのマガダ国のバラモンの出身です。舎利弗とは親友であり、ともに六師外道の一人である刪闍耶毘羅胝子(さんじゃやびらていし)に従っていましたが、後に釈尊に帰依して仏弟子となりました。
 盂蘭盆会(うらぼんえ)は、目ケン連が餓鬼道に落ちて苦しんでいた母を救うために、衆僧供養したという伝承に基づきます。

B摩訶迦葉(まかかしょう)(梵:マハーカッサパ)
 頭陀第一。
 頭陀(ずだ)とは、托鉢行のことで、摩訶迦葉は必要最小限の物で暮らすことに長けていました。バラモンの出で、20歳の時に出家し、しばらくはバラモンとして修行していましたが、釈尊に出会って仏教に帰依しました。仏教第二祖です。

C須菩提(しゅぼだい)(梵:スブーティ)
 解空第一。
 長者の身分から出家した人で、空に関しては弟子中ナンバー・ワンだとされています。

D富楼那弥多羅尼子(ふるなみたらにし)(梵:プールナマイトラーヤニープトラ)
 説法第一。
 弥多羅尼とは富楼那の母親のことです。富楼那の父親はバラモンであり、釈尊の父親であった浄飯王の国師でした。舎利弗とは問答友達であり、お互いを高く評価していたということです。

E摩訶迦旃延(まかかせんねん)(梵:マハーカッチャーナ Maha-katyayana)
 論議第一。
 アヴァンティ国のチャンダパッジョータ王の命令で、釈尊を迎えるため、王の臣下と釈尊を訪ねましたが、それが機縁となって釈尊に帰依し出家したといいます。
 また一説では、釈尊が仏陀になると予言したアシタ仙人の弟子で、アシタ仙人の命令によって仏弟子になったともされています。

F阿那律(あなりつ)(梵:アニルッダ Aniruddha)
 天眼第一。阿尼楼駄(あにるだ)、阿泥律(あないりつ)とも音写し、無貪(むとん)とも漢訳します。
 カピラヴァストゥの人で斛飯王(こくぼんおう)、または甘露飯王(かんろぼんおう)の子といわれ、釈尊とは従弟にあたります。釈尊の説法の座で居眠りをして叱責されたため、眠ることなく修行し、ついに失明しましたが、天眼を得たといいます。

G優波離(うぱり)(梵:ウパーリ)
 持律第一。

H羅ご羅(らごら)(梵:ラーフラ Rahula)
 密行第一(戒律を細かく守ること第一)
 釈尊の実子で、釈尊が成道後初めて故郷カピラヴァストゥ城へ帰られた時に、舎利弗、目連を師として出家しました。
 ラーフラとは、「障害」の意味があり、釈尊が出家を決断しようとした時に妻の耶輸陀羅が懐妊したため、障害という名がつけられた、という説があります。しかし、私は、親が子に、ましてや釈尊が息子に障害と命名した事に合点がいきません。別の説で、ラーフラとは、龍の頭を意味する言葉で釈迦族のシンボルのためこの名をつけたとあります。私はこちらの説の方がピンときます。
 釈尊には、太子の頃、三人の妻がおり、それぞれに子供がいて、三人の子供は皆出家し、仏弟子になりました。しかし、三人の中でラーフラのみが聖者となったため、他の二人の子が経典に登場する事は少なかったようです。ラーフラは、不言実行を以って密行を全うし、密行第一と称せられましたが、勉学を好んだため、学習第一とも称せられました。

I阿難(あなん)(梵:アーナンダ Ananda)
 多聞第一。アーナンダとは、「歓喜」の意味です。
 釈尊の従弟で、提婆達多の弟です。 出家後、釈尊が涅槃に入られるまで、約25年間常に近侍し、身の回りの世話を行っていました。そのため教説を最もよく聞いており、記憶していたので、第1回の経典結集の時には彼の記憶に基づいて釈尊の教えを口述し、経典が編纂されたといいます。

○その他の大比丘衆

○阿若キョウ陳如(あにゃきょうちんにょ)
 初転法輪の際の五比丘の一人で、最初に釈迦の教えを理解したので、釈尊が、「アニャー!きょうにんちょ!(キョウ陳如が悟った!!)」と叫び、非常に喜んだためこの名があります。

○優楼頻螺迦葉(うるびんらかしょう)(梵:ウルヴェーラ・カッサパ Uruvilva Kasyapa)
 三迦葉の長男。優楼頻螺とは、マガダ国のガヤー城付近、尼連禅河の左岸にあった村の名です。優楼頻螺迦葉は、元ヴェーダ聖典を読誦し火神(アグニ)を祀る事火外道のバラモンの師でしたが、釈尊に教化され、500人の弟子たちと共に釈尊教団に帰依しました。

○伽耶迦葉(がやかしょう)(梵:ガヤー・カッサパ Gaya Kasyapa)
 三迦葉の三男。迦耶とは象のことで、象頭山に住んでいたためこの名があります。兄たちと同様に、元は火神(アグニ)を祀る事火外道のバラモンの師でしたが、兄たちが釈尊に帰依するのを見て、弟子200人と共に釈尊教団に帰依しました。

○キョウ梵波提(きょうばんはだい)(梵:Gavampati)
 解律第一。
 ベナレスの出身でヴァイシャリー(商人などの平民)階級だったといいます。五比丘の次に弟子に成った耶舎(やしゃ)の4人の親友の1人で、耶舎の出家を聞き他の3人と共に出家しました。

○劫賓那(こうひんな)(梵:カンピラ Kamphilla)
 知星宿第一。
 釈尊が、故郷カピラヴァストゥ城に帰った後、また遊行に出て南方のアヌピヤー村に滞在した所へ、阿那律(あなりつ)などの諸王子と優波離(うぱり)と共に仏のもと来て仏弟子となりました。

○孫陀羅難陀(そんだらなんだ)(梵:スンダラー・ナンダ Sundara-nanda)
 容姿端麗のナンダの意味です。
 実父を浄飯王(じょうぼんのう)(梵:スッドーダナ)とし、実母を摩訶波闍波提(まか・はじゃはだい)(梵:マハー・プラジャパティー)とします。ちなみに釈迦は摩訶波闍波提の姉・摩耶夫人と浄飯王との間に生まれたので、孫陀羅難陀とは異母兄弟にあたります。
 国一番の美女との結婚式の際、釈尊が式場に現れ、釈尊を追って仏弟子になりました。しかし、妻のことが忘れられず、それが悩みとなりましたが、釈尊の神通力によって、醜いメス猿と非常に美しい天女の相違を示現して、難陀を教化しました。

○那提迦葉(なだいかしょう)(梵:ナディー・カッサパ Nadi Kasyapa)
 
 三迦葉の次男。那提とは、河川のことで、尼連禅河の下流に住んでいたためこの名があります。兄の優楼頻螺迦葉と同様に、元は火神(アグニ)を祀る事火外道のバラモンの師でしたが、兄が釈尊に帰依するのを見て、弟子250人と共に釈尊教団に帰依しました。

難陀(なんだ)

○薄拘羅(はくら)(梵:ヴァックラ Dvakula)
 無病で長寿第一。
 仏弟子となって修道を怠らず、少欲知足でしたが、一度も他に説法をすることがありませんでした。帝釈天からその理由を問われると、釈尊をはじめ弟子衆の多くは説法が巧みでよく法をといていますが、私は仏説により黙然としていますと答えました。

○畢陵伽婆蹉(ひつりょうかばしゃ)(梵:ピリンダ・ヴァッチャ Pilinda-Vaccha )
 舎衛城(シュラバスティー)のバラモン出身。ピリンダ・ヴァッチャとは、「悪口」の意味が有りますが、これは、前生の習慣から、彼が他の比丘を馬鹿にしていたからだといいます。

○摩訶拘チ羅(まかくちら)

○離婆多(りはた)(梵:レーヴァタ Revata-khadira-vaniya)
 本名は、レーヴァタ・キャディラ・ヴァニヤで、「キャデラ林に住するレーヴァタ」という意味です。舎利弗の弟だとされています。

○比丘尼

○摩訶波闍波提(まかはじゃはだい)(梵:マハー・プラジャーパティー Maha-prajapati)
 釈尊の養母であり、孫陀羅難陀の母親です。
 比丘尼の代表格。釈尊教団は女人禁制でしたが、摩訶波闍波提が何度も釈尊にお願いをし、阿難の助けもあって、摩訶波闍波提が女性最初の出家僧となりました。

○耶輸陀羅(やしょだら)(梵:ヤソーダラー Yasodhara)
 釈尊の元妻。
 釈尊との間に出来た子がラーフラです。摩訶波闍波提と共に出家しました。

●その他の弟子衆
○阿闍世王(あじゃせおう)(梵:クーニカ・アジャータシャトル Kunika Ajatashatru)
 韋提希の子。
 古代インドに栄えたマガダ国の王。父王ビンビサーラを殺害して王位を得たことに苦悩していましたが、釈尊に出会い救われました。